ある日、同級生にこう言われました。
「○○って、感情がないよね」
怒るでもなく、悲しむでもなく
私はただ、驚いてしまったのを覚えています。
今回は、そんなふうに人からどう見られていたのか、
そしてそれにどう向き合ってきたのかを振り返ります。
自問自答をくり返しながら歩んできた、自分探しの記録です。
私に感情はないのか、自分と向き合い始めた
初めて言われたのは、小学生高学年の頃でした。
どんな内容の会話をしていてそう言われたのか
もしくは唐突に言われたのか
あまりのインパクトにその辺は忘れてしまいました。
驚いたのは自覚が無かったからです。
その時から私は、
「自分は感情表現が下手なのか、もしくは感情自体が欠落しているのか」
と考えるようになりました。
それまでの人生ですでに色々経験していた私は、
確かに欠落していてもおかしくないと思いました。
ただ、もともと感情表現が得意ではないのも事実でした。
どっちが正解なのか答えが出ず、もんもんと考える日々が続きました。
そんなことをこの年齢で考えていることが異常だったと、今では思います。
過去を振り返り、私の中で出した答え
結局、答えが分からないまま時が流れます。
それから1,2年後、また違う人に言われたのです。
言い方や文言は違いますが、同じ内容でした。
その後も、言われることがあり、スパンは短くなって結構言われるようになりました。
途中から私も本気でこれはよくないと思い、真剣に対策していこうと決意しました。
となればまずは、原因の追求から。
そう考えた私は過去を振り返り、いつから、何をきっかけに感情が表に出無くなってしまたのか
探すようになりました。
幼い頃から基礎疾患で病弱だった私は、もともと感情表現が苦手でした。
ずっとネガティブになりますし、それがずっと続くと虚無に入ります。
それから親の離婚・再婚、いじめなどを経験してきた私は、それらが蓄積して
感情が欠落しているんだと答えを出しました。
人よりも感情が薄く、他人にストレス、違和感、面倒を感じさせているんだと
問題を明確に捉える事が出来たのです。
誰も知らない、私も知らない、本当の私
原因が分かったのであとは対策です。
どうすれば、感情を表に出せるのか。
私は自分の感情をオーバー気味に表現するようにしました。
皆はどう表現しているのか観察し、良いバランスで感情表現ができるように
そうすればきっと、自分と他人の差異をなくせると思ったのです。
この原因や解決法を考えつくまで何年もかかりました。
いろんな事を考え、悩みましたが、この原因・解決策が
一番正解に近いだろうと思いました。
そうして、変化をし出して間もない頃、こう言われました。
「人間っぽくないよね」
この時、私の考えが全て間違っていたことに気づきました。
辛くて、悲しくて、消えてなくなりたいと思ったのです。
でも、そこにいたのは、一切顔色を変えず、相手に合わせて話を進める私でした。
一番言われたくない人に、一番言われたくない言葉を言われて
悲しくないわけがないんです。
これがきっかけで本当の私を知ることができました。
私の感情と本音
つまり、感情表現が下手なのでも、感情が欠落しているわけでもありませんでした。
私はこれまでの経験で、人に合わせる生き方しかできなくなっていたのです。
相手の感情を読み取り、それに対して最善の対応、感情を出す。
そうして、本来の感情とは異なる感情を生み出すことで、無機質な感情表現が
出来上がったのです。
それに違和感を抱いた周りの人は
「感情が無い」
とそう表現したのかもしれません。
恐らく本来の意味は
「人間味が無い」
と言うことだったんだと思います。
私には、感情も本音もあります。
でも、出すことはできないのです。
相手が求めるものを出さないと。誰も傷つけたくないから。
自分を受け入れ理解するという事
私は今でも、本音や本来の感情を出すことはほとんどありません。
ただ、あれからさらに経験し、努力を重ねた結果、もうそんな言葉を言われることは
なくなりました。
誰に対しても、どんな時でも、最善で違和感のない自然な返答ができます。
それはおかしくないか?それでいいのか?
と思われるかもしれません。
でも私は、自分の本音で誰かが傷つくのも損をするのも見たくないのです。
誰かを犠牲に成り立つ幸せは素直に喜べません。
もちろん最低限は存在し、避けられない事があるのも事実です。
それでも、他人から不幸を受けてきた私は、極力同じことをしたくない。
あの人たちと同じ分類にされるのは嫌だと感じるのです。
なにより、もし私の本音で傷づけることがあったら、その人に昔の私が重なって
心臓が握りつぶされるような感覚になります。
そんなことになるなら私はずっと自分なんてなくてもいい。
そう思いながら生きています。
皆さんはどれくらい本音を出して、どれくらい感情を出せていますか。
結局一番いいのは出せることだと思います。
それが本来人間のあるべき姿で、それによって人のつながりは成り立ちます。
でも、出せないという人も実際結構いてると思います。
出せないにもいろいろあって、パターンも様々だと思いますが、
もし私と同じような感覚の人がいたら、自分を受け入れてあげてください。
悪いことではありませんし、あなた一人ではありません。
周りからおかしく見られるかもしれませんが、気にすることではありません。
でもできるだけ出せるようにはなった方がいいかもしれませんね。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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